良く拝見しているとあるブログ秋田内陸縦貫鉄道の存続問題を扱っていた時に触れられていたもの。

地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案について

http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha08/08/080130_.html
国土交通省サイトより

  • 趣旨
    • 地域公共交通特定事業に、継続が困難となり、又は困難となるおそれがあると認められる旅客鉄道事業について、市町村その他の者の支援を受けつつ事業構造の変更を行うことにより輸送の維持を図るための事業(鉄道事業再構築事業)を追加するとともに、国土交通大臣による認定を受けた計画に定められた鉄道事業再構築事業を実施する場合における鉄道事業法の特例等を定める。
  • 概要
    • (1)鉄道事業再構築事業
       最近における経営状況にかんがみ、その継続が困難となり、又は困難となるおそれがあると認められる旅客鉄道事業について、経営の改善を図るとともに、市町村その他の者の支援を受けつつ、事業の実施主体の変更その他の事業構造の変更を行うことにより、当該旅客鉄道事業に係る路線における輸送の維持を図ることを目的とする鉄道事業再構築事業(廃止届出を前提とする鉄道再生事業に該当するものを除く。)を創設し、地域公共交通特定事業として追加する。
    • (2)鉄道事業再構築実施計画の認定
       地域公共交通総合連携計画において、鉄道事業再構築事業に関する事項が定められたときは、市町村及び鉄道事業者その他の者は、その全員の合意により、同事業を実施するための計画(鉄道事業再構築実施計画)を作成し、国土交通大臣による認定を申請することができることとし、国土交通大臣は、当該計画が基本方針に照らして適切なものである等の基準に適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。
    • (3)認定を受けた鉄道事業再構築実施計画に基づく事業に係る特例措置
       鉄道事業再構築実施計画に定められた鉄道事業再構築事業のうち、鉄道事業法の許可等を受けなければならないもの等について、(2)の認定を受けたときは、同法の許可等を受けたものとみなす等の特例を設ける。

平成19年10月1日施行の「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」の改正として、サイトには平成20年1月30日付けで掲載されている。
元々の「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/01/010209_2_.htmlでは

  • 第2節 軌道運送高度化事業(第8条〜第12条) より優れた加速・減速性能を有する車両を用いること等により軌道事業の質の向上を図る事業
  • 第3節 道路運送高度化事業(第13条〜第17条) 交通規制など道路交通の円滑化に資する措置と併せてより大型のバスを用いること等によりバス事業の質の向上を図る事業
  • 第4節 海上運送高度化事業(第18条〜第20条) より優れた加速・減速性能を有する船舶を用いること等により旅客船事業の質の向上を図る事業
  • 第5節 乗継円滑化事業(第21条〜第25条) 接続ダイヤの改善、乗車船券の共通化、乗降場の改善等により旅客の乗継円滑化を図る事業
  • 第6節 鉄道再生事業(第26条・第27条) 地域の支援により、事業の廃止届出がされた鉄道事業の維持を図る事業

と陸海に亘っての高度化事業と再生事業が柱としてあげられているが、それについての改正案となる。
「地域の支援」=「市町村(/県)レベルでの、再生すべきとされた公共交通事業への財政的な支援支出の議決・表明」があれば、 国レベルでの事業再生についての制度(補助金や法制面での特例)を適用していくという事なのでしょうか。
どこまで「維持」されるべきかは、どのレベルで決まるのだろう?
地域の補助金や親会社の支援によっていた純然たる民間会社であった鹿島鉄道のある意味あっけなかった幕切れや、ごく最近に第三セクターとして再出発した、茨城交通湊線→ひたちなか海浜鉄道のような例があります。また、国鉄が分割民営化された際に切り離されたローカル線はほとんどがバス転換や第三セクターとしての運営に切り替えられたが、それから20年経った今、改めてレールをはがしたり、運営基金を食い潰して再度の危機に晒されている路線・線区が数多く存在していて、この部分が今回の改正案(?)の対象になるのでしょうか。
ここで再度の再生を図るという事は、改めて市町村レベルの負担を強いることになる事になると思われます。広域を結ぶ準幹線については鉄道として維持すべきものは大抵、JRなどの企業体が規模のメリットを生かすことでの内部補助をして運営されている。
いわゆるローカル線区の方はどうか。 動きとして、一部大手私鉄やバス会社では、ローカル線区への内部補助を打ち切って、分社化しての線区の自立運営を図るところが多いと聞きます。より小回りの効く経営をと云うことでだと思われます。*1ただ、こういった施策もある程度の採算が見込めるところに限られていくとも考えらますし、さらにバス関連では不採算路線は切られて、緊急処置的な自治体運営に切り替えられるところが多いとも。
そういった地域の状態下では、かつて採算が合わないとして切り離された鉄道線区が地域の人口減などによりさらに厳しい経営状態に置かれているとすれば、運営の効率化が進んだとしても「線」としての交通のみの単体では再生が難しいのではないかとも思われます。ということは「面」としての地域開発も考える事になるのか。今の都市圏を離れた「地域」にどこまでその経済的負担が出来るのでしょうか。
自分が鉄道趣味的には別の希望を持っているとはいえ、現実問題としては今後も目が離せない話題の一つであると思われます。*2

*1:JRでも「鉄道部」や(線区)「営業所」といった運営単位はありますが

*2:「話題」であるというところが、自分にとって切実でない話として考えているという事の現われかもしれませんが。