ちょっと前の話で恐縮ですが

有村、あすから運休 燃料費確保できず(琉球新報 2008/5/27)

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-132519-storytopic-130.html

更生会社・有村産業那覇市、管財人・飛鷹昌仁社長)の更生計画変更案が否決された件で、同社のフェリー「飛龍」と「飛龍21」の2隻の運航休止、貨物船「海龍」の売却が26日までに決まった。飛鷹社長が同日、会見で明らかにした。取引先の石油会社が現金決済のみの燃料供給に切り替えたため、燃料費が確保できなくなった。再開のめどは立っていない。同社は「燃料費や従業員の給与を確保できれば運航を開始する。新会社設立の構想がまとまるまでの一時休止」とし、最終的に会社を清算する方針を示した。
飛龍は28日、飛龍21は6月5日の那覇新港入港を最後に、運航を休止する。貨物船「海龍」は22日からすでに運航を停止し、今後は県外の売却先を探す。同社の従業員約120人は継続雇用し、乗組員はフェリーに乗船させて、出港待機させる。
 飛龍、飛龍21は名古屋―大阪―那覇宮古―石垣―台湾で1995年から運航。離島住民や観光客らと同時に、精密機器など輸出品や食料品・雑貨など生活物資の輸送を担ってきた。利用客は年間約2万人、貨物輸送は1週間約4000トン。離島への貨物輸送のシェアは約30%、台湾航路は同社のみのため、旅客、貨物輸送共にほぼ100%のシェア。
 同社によると、航路を一巡するために必要な燃料費は2600万円。取引のある石油会社が23日に変更案が否決されたことなどを受け、現金決済のみを燃料供給の絶対条件として通達してきたという。有村産業は燃料費確保の見込みが立たないことから運航休止を決めた。
 現更生計画を作成した法律管財人の松嶋英機弁護士は「燃料費がこれだけ高騰することは予想できなかった。もう一度変更案をつくるよりは、破産管財人の手で営業譲渡に移行した方がいい」と述べ、有村産業を破産させた上で債権を解消し、事業継続を目指す考えを示した。飛鷹社長は「新たに制約が加わり、運航が難しくなった。何らかの理由で飛行機に乗れない方々に多大な迷惑を掛けないか危惧(きぐ)している」と述べた。

原油価格の上昇→燃油費の高騰はもはやこんなところにも影響が出ていて、そろそろ他の船会社や運輸系の企業に大きく影響が出てくるとも思います。
精査はしていませんが、結構あちこちで航路の休止やフェリー会社の合併とか耳にしてますし。
この有村産業、私が某物流企業の国内航路担当として在籍していた約7〜8年前にも、まずい経営状態になって*1、いろいろと取り沙汰されたり、経理から取引が無いかどうかの調査依頼が廻ったりと、かなり騒ぎになった覚えがありますが、一応は更生会社*2になっていたのですね。
担当当時は、東京〜奄美・沖縄向け航路の担当でしたが、上に挙げられた有村産業は直接東京に航路を持っていなかった関係で、直接の騒ぎには巻き込まれませんでした。ただ、直接取引・業務を受託していた船社もそれなりに注意を要する状態ではあったので、おそらく今回の騒ぎでステベや代理店、航路を利用していた運送業者各社の担当者の方々のご苦労は計り知れないものだと想像が付きます。(取引していた船社2社のうち、1社はすでに無いようで、もう1社は改名したようですね。)
燃油費の高騰の関連は、今のうちはまだガソリンなどの生活物資の値上げ話だけですけれど、そのうちにもっと大きな影響が出てくるであろう事が想像出来るところが、また憂鬱の種ですな。

*1:それまでも低空飛行ではありましたが

*2:会社更生法は、経営困難ではあるが再建の見込みのある株式会社について、事業の維持・更生を目的としてなされる会社更生手続を定めるために制定された日本の法律である。」Wikipediaより 参考・http://www.tsr-net.co.jp/useful/definition/01/843_index.html