川崎に週末用のフィルムetcを買いだしに行ったついでにチネチッタへ。

 ULTRAMAN

【公式サイト】http://www.ultraman-movie.com/
特技監督菊地雄一 【監督】小中和哉 
【キャスト】別所哲也遠山景織子大澄賢也草刈正雄 【監修】円谷一
いい歳して何を見ているんだといわれそうだけれど、イケメンさんが出て来て子供向きのストーリーを展開するわけでもなく*1、大人が見ても鑑賞に値するストーリー作りがなされている作品。
今回は「ウルトラマン」の初期設定に立ち戻って、地球外生物の「青い光」とそれを追う「赤い光」、前者が邪悪な存在、後者がそれを打倒しようとする存在と云うシンプルな状態に戻し、「ウルトラマン」では「赤い光」のみがハヤタと事故のような形で合体したが、この作品ではそれぞれが地球で活動するための「相手」を選んで合体する。「赤い光」に選ばれたのは自分の息子との生活のために退官しようとする自衛隊のエースパイロット。
蛇足にはなるが、この設定ゆえに防衛庁自衛隊協力の下に本物の航空機や基地が出てくるのはもちろん、パイロットの生活や言動の節々に、杉山隆男氏の力作ルポ『兵士を見よ』を読んでいれば、ああなるほど結構きちんと取材しているなと思わされるフレーズが散りばめられている。また、クリーチャー(ザ・ワン)相手に空戦をするウルトラマンと云うのは余り記憶に無く*2、それだけでもかなり斬新な感じがした。
地味かもしれないけれど仕事のできるキャスト・大人が楽しめるストーリーとも良く、造型・特撮・SFXもウルトラマン・クリーチャーともにエヴァっぽいスタイルのデザインなのを除けば、ラストの新宿副都心での戦いのシーンなどはかなり満足できる出来なのではないかと、昔のウルトラマンファンとしては思いましたが。 

*1:もちろん、劇場にやってくる層が親子連れと、いわゆる特撮ファンであると云う事は充分以上に意識した作り。

*2:かけもち師匠からご指摘を受けたところによると、実は結構あるらしいです、空戦シーン。。