高速道2000円上限案…一部路線に導入方針(読売新聞 12/28)

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20091227-OYT1T00607.htm

前原国土交通相は27日、記者団に対し、来年6月から高速道路の無料化を一部で始めるのに合わせ、走行距離に関係ない上限料金を設ける制度を、無料化対象外の一部路線で導入する考えを明らかにした。
上限料金は乗用車2000円、軽自動車1000円、トラック5000円とする案が有力だ。
 首都高速阪神高速を除く路線の中から対象を選び、詳細を詰めて来年1月をめどに発表する。上限料金の導入と同時に、地方の高速道路を対象にした休日の「上限1000円」割引は廃止する。
 民主党政権公約マニフェスト)で、2012年度までに高速道路を原則無料化する方針を掲げた。ただ、無料化より高速道路の整備を求める地方の声が強く、10年度予算案では、無料化関連の予算が概算要求段階の6000億円から1000億円へ圧縮された。そのため、10年度の無料化は交通量が少ない路線など一部に限られる方向だ。

少しずつ現実に近づいてきたか。。。
結局は一般道と高速道の通行量があまり大差ない一部の地方で、高速道が開放されて、他の大部分では何らかの利用者コストの負担を求めていく事には変わりないと思う。東名や名神といった主要道路では混雑対策も兼ねて現状維持になるのでは。(ETCのみ料金優遇の状態よりは是正が進んだと見るべきなのか。)
元々、費用償還が終った高速道路は無料開放となるはずだったのが、東名等の収益の上がる部分で内部補助を当てにして、どんどん通行量の多くない路線を作っていったので、それもなし崩しになって、まるで逆の結果になる事に。
「高速道無料化」の政策自体が、高速道路と一般道路が並行している区間で、高速道側が交通量が少ない場合、無料開放化で高速道路に通行がシフトして、一般道の通行も円滑になって、物流コスト・時間短縮効果とともに燃費も良くなるといった良いこと尽くめのような論調で語られるが、実際にはこの無料化による自動車交通への鉄道などからのシフトや新たなる需要の誘発による輸送量増は考えられておらず、どちらかといえば無料によるマイナス効果(自動車による輸送量自体が増える事による、渋滞の発生や燃費削減等の無料化効果の相殺、公共交通機関の崩壊)に付いてはあまり語られていない。
目の前の美味しい言葉に吊られると、あとあと大変のような気がする。
与党も結局は道路事業の拡大に繋がりかねない「無料化」よりは、選挙の際の金看板を引き摺り下ろすのは大変かもしれないが、もう少し現実的な面での政策調整能力を発揮して欲しいところ。

(参考)
http://www.yomiuri.co.jp/atcars/news/20091226-OYT8T00250.htm(読売新聞 12/26)

前原国土交通相は25日、2010年度に開始するとしていた高速道路の無料化の実施時期について「4月からは難しい」と述べ、6月にずれ込む見通しを示した。
 10年度予算に計上した関連予算が概算要求の6000億円から1000億円に大幅に圧縮され、計画の修正を余儀なくされた。
 高速道路の無料化は、他の交通機関への影響が小さく二酸化炭素の排出量や混雑が少ない、本州を含む全国の一部地域を対象に実施する方向だ。
 合わせて、今年3月から実施している地方の高速道路の「上限1000円」の料金割引制度を見直し、走行距離にかかわらず上限料金を設ける統一料金制度を一部地域で実施する考え。10年度予算の1000億円に「上限1000円」割引の財源として手当て済みの5000億円も活用する。
 無料化と料金割引の路線と内容は来月発表する。統一料金制度は乗用車2000円、軽自動車1000円などの案が浮上している。