ローカル線“一色二鳥”ご当地カラー JR西、塗装の経費削減

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100108/biz1001081417019-n1.htm産経新聞

JR西日本が平成22年度から、京阪神を除く在来線の車両のデザインを、地域ごとに1色に統一することが8日、分かった。不況や高速道路料金の値下げによる利用者の減少を受け、塗装費を抑制して経費削減につなげる。新しい色は地域性を反映させるが、出勤・通学、旅先などで親しまれてきたデザインが消えることとなり、惜しむ声も聞かれそう。
 JR西によると、デザインが変わる地域と新しい色は、
京都=深緑▽和歌山=青緑▽中国=黄▽北陸・七尾線(石川県)=赤−など。
計約25種類(約1400両)の列車や気動車の色を平成22年度から8年間をめどに変更する。ただし、大阪を中心とする「アーバンネットワーク」と呼ばれる京阪神の在来線は除く。
 このうち、京都地域では山陰線(京都−園部間)や湖西線など3路線が対象。現在の車両は緑にオレンジのラインや、ベージュに茶色のラインが入ったツートンカラーだが、今後は抹茶や木の葉など「和」を連想させる深緑にまとめる。
和歌山地域(紀勢、和歌山線)の青緑は太平洋の鮮やかさをイメージ、中国地域(山陽、山陰線など)の黄は、瀬戸内海に反射する太陽の光を表した。七尾線は輪島塗を連想させる深い赤色に、その他の北陸地域は従来の車両に使用している青に統一する。
 JR西ではこれまで、支社に車両のデザインを任せていたが、今回は初めて全社的に色を決めた。この“改革”で、塗料代や塗装時間も圧縮でき、22年度は約2000万円を削減できるという。JR西は「新しい色の車両にも愛着を持ってほしい」としている。

会社自体が「経費削減」を前面にした記者発表を出すこと自体が何か余裕の無さをも感じます。塗装を施行する各エリアごとの工場・車両所の塗装ラインの工程省略が目的なのかもしれませんし、エリアによっては各線区ごとに設定されていた、独自塗装の見直しになりそうです。
この記事を発見した、1/8付けのきたりんさんのブログにもありましたが、現在は223系・521系・125系・新系列のローカル用ディーゼルカーなどのステンレス無塗装車両も増えていますので、趣味的にはそこら辺の扱いがどうなるのか注目と言ったところでしょうか。(読売新聞の記事によると、ステンレス車は対象外。http://www.yomiuri.co.jp/tabi/domestic/railway/20100109-OYT8T00375.htm(1/10付けで同じ記事を載せたアメブロの方で荒さんからの指摘有り))
新聞の経済面的に見ると、これまである程度は各支社の実情に任せていた塗装や線区経営と言った面でも、本社のチェックが入るようになり、社内の統制的には好ましいのかもしれませんが、元々山陽新幹線アーバンネットワークと一部都市圏と言った限られた(東日本・東海2社に比べ少ない)資源で、近畿・北陸・山陰・山陽のローカルを含む広大な範囲を収入的にカバーする経営基盤が脆弱なところに、尼崎の事故の原因やそのあとの対応経緯に見られる経営方策の「ひずみ」や、「高速道路ETC割引」の拡大、景気の縮小と言った要因が重なっての今回の施策となったと見られます。(まだこれからいろいろな面で深化していくのでしょう。)
元々「終電の一部繰上げ」、一部ローカル線区では「月一回の線路点検運休」等の節約策が設定されているJR西日本には次の3月のダイヤ改正の内容も含めて、かなりの縮小傾向が見られるとも感じます。
願わくば「ジリ貧をさけようとして、ドカ貧に陥る」ことの無い様に願いたいと思います。