落としどころは?

高速の無料化、北海道限定案…予算大幅圧縮へ(読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/atcars/news/20091203-OYT8T00516.htm

 政府は2日、民主党衆院選政権公約マニフェスト)に掲げた高速道路無料化について、2010年度予算の概算要求に無料化予算として計上した6000億円の予算規模を、数百億円程度まで大幅に圧縮する方針を固めた。
 無料化の対象地域を北海道に限定する案が有力だ。デフレや急激な円高が深刻化しており、雇用対策などに財源を手厚く振り向けるべきだと判断した。財源不足を背景に政府はマニフェストの軌道修正を加速化させており、農家への戸別所得補償など主要事業についても見直しを進める方針だ。
 鳩山首相は2日、前衆院議員らが国会内で開いた講演会で、マニフェストについて「契約した相手の国民が望まないものを、強引に押し付けるのもいかがなものか」と述べ、状況に応じて修正する考えを示した。その上で、高速道路無料化については「必ずしも人気がない。来年は一部の所で実施しながら、どこまで経済効果が上がるのかを考える」と述べ、来年度については予算規模を大幅に圧縮する考えを表明した。
 国土交通省は、首都高速阪神高速を除く高速道路を無料化した場合に必要となる費用は総額約1・8兆円と試算している。民主党マニフェストで12年度までの3年間で段階的に無料化を実施するとしたのに合わせ、10年度は3分の1の6000億円を要求した。渋滞激化が予想される東名高速など主要都市間を結ぶ基本路線は除外し、交通量が少ない一部の地方路線に限定して無料化を試験的に実施することを検討してきた。本州では有料と無料の区間が併存することで不公平感が生じることに加え、政府が予算の大幅圧縮の方針を固めたことから、他県と陸続きではない北海道に限定する案が浮上した。
 10年度予算の概算要求は高速道路無料化のほか、子ども手当(要求額=2兆3345億円)や高校授業料の実質無償化(同4624億円)などマニフェスト関連予算が膨らみ、過去最高の95兆円に上った。行政刷新会議(議長・鳩山首相)は予算の無駄を洗い出す事業仕分けを実施し、3兆円程度の圧縮をめざしたが、「無駄の削減だけでは3兆円に届かない」(首相周辺)との見方が強まっている。

北海道の主要一般道路は今でも高速並み(だから実施しても影響はないだろう)と云う話はジョークにしても、「高速道路無料化」に付いては、個人的にはここら辺が落としどころかとも考える。だけれど、マニュフェストのこの部分を信じて投票した人にはきちんと説明をしないといけないところでは。
費用効率面での国土交通省の試算が一人歩きした形での施策案だったが、公共交通及び運輸関連業界へもたらす正負の波及効果、車を持っていない層との不公平感・環境への影響(温暖化ガスの削減政策とも矛盾)を考えると、もう少し世間の声を聞いてから持ち出すべきものだったのではないかなと。確かにインパクトは充分でしたが。。。。
ただ実施されたとしても、今後の原油価格が安定するのかは不明瞭な部分もあるので、ガソリン価格がまた高騰するようなことがあれば、この政策が実質骨抜きになる可能性は考えられなくは無いかもしれない。同時にそうなるまでに運輸・交通業界が無料化による打撃を受けて、地域の交通網が崩壊してしまったりするとどうなるかとか考えるとちょっと怖いものがある。